2005年10月28日

今頃犬君は

今頃、犬君は何をしているだろう。
久しぶりにどこかで、思いっきり走り回っているかな。
闘病生活が長かったから、まだゆっくりと眠っているかな。
犬君の疲れた古い体は、土の中、静かに眠っている。

その日も秋晴れ晴れだった。
犬君は「呼吸と同時に魂が抜けてしまった」とでもいうように、
目を開き、口を開けたまま、動きを止めていた。
数時間前、妹と一緒に日向ぼっこをさせていた姿のままで。
痛みをうったえる事も鳴く事もなかった。
偶然一致したりゅう姉妹の連休に合わせたような、意外な終わりだった。
午前中、病院で薬をもらってきたばかりだったのにね。
フツウにフツウに、静かな秋晴れの午後だったのにね。

お母さんはその頃、仕事をしながら犬君の声を聞いていた。
この辺犬いないしなぁ・・・空耳かぁヘンなの。と思ったそうだ。

手をケガしていても体調が悪くても、
出来る限り犬君を抱えて「散歩」に連れて行ってあげていたお母さん。
犬君はやっぱり、お母さんがいちばん好きだったんだねぇ。
だから、ちゃんとあいさつしに行ったんだ。

律儀な犬君。

その動かない犬君を前にして、お母さんは黙っていた。
毛布に包んで、少しでも温かさを保ってお母さんを待っていたけど、
手足や顔の冷たさはどうにもならなかったんだよね。
母:「鳴いたの?」
り:「全然。痛そうにしてなかったし、日向ぼっこしてたんだもん」

そう答えると、お母さんは少しほっとしたようだった。

友達に愛犬の葬儀を聞いたら、お寺で火葬してもらったとの事。
そうだなぁ・・・
雷を異常に怖がる犬君だから、庭のみんなと一緒の方が安心かな。

翌日、妹が5時間かけて穴を掘った。
私やお父さんの手伝いを拒否して、一人黙々と墓穴を作る。

成の時もそうだった。
何時間もかけて、墓穴を掘りあげる。
深く掘る中で、彼女は何かと対話し、自分の中で死の居場所を作るみたい。

フシギに思って聞いてみた。
り:「穴掘るの好きだよねぇ。小さい頃から。なんで?」
妹:「さぁ・・・前世がそうなんじゃない?」
り:「もぐらかぁひらめき
妹:「そうとは言ってないむかっ(怒り)
でも、他に思いつかないじゃん。

途中、昔のホネが幾つか出てきた。頭骨は2つ。

青いリボンを首にかけた形。それは10年以上前の黒猫リン。
そしてもう1匹。胸に青いリボンを乗せた・・・2年前の成だ。

こんな形で再開すると思っていなかったので、不思議な気持ちで頭骨を見る。
同じ場所に埋葬したわけじゃないのに、どうしてだろう?
妹が「ホネが出てきたんだよ〜」と明るく報告してきたので、
私もホネとなった姿を静かに見るコトができた。
というか、
ホネとなったリンも成も、私はとても好きだと思った。
>やぁ、また会ったね。久しぶりだね。
>久しぶりの太陽でしょ。まだリボン残っているんだね。

確かに、お父さんが力任せに掘っていたら、
このホネが崩れたり、壊れちゃったりしたかもしれないね。
だから妹は、いつも一人で、小さなスコップで掘ってるんだ。

犬君は昔の仲間に迎えに来てもらって、そして土の中に落ち着いたかわいい
家の庭。みんなと一緒に犬君もゆっくりと還るんだろう。

今頃犬君は、何してるのかな。
病院の先生夫妻から昨日届いた花束を生けて、広くなった玄関を見る。
通る度にスポイトでお水を口に垂らすこともない。
遅く帰ってきて、犬君をびっくりさせる心配もない。
配送された荷物を外で預かることもない。
悲痛な声で飛び起きることもない。
夜中に汚れた新聞紙を取り替えることも、体を拭くこともない。

手間と思う事はなかったけど、そんな手間が消えた分、
犬君がかすかに振ってくれるしっぽも、もう見ることはない。
終わるって言うコトは、静かで平穏だけど、やっぱり寂しかった。

今日も秋晴れ。
ニックネーム りゅう at 14:17| Comment(25) | TrackBack(0) | 虹 旅立ちを見送ったあと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
我が家にも、病気で余命を告げられてもその年数よりがんばった子(オス犬)、
交通事故にあいながらも何年もがんばった子(オス猫)この2匹はとても仲良しでした。
ゴハンを分け合ったり、野良やカラスなどからかばいあっていたりいました。
その2匹も同じ場所の土の中に埋めてあげました。
オス猫を埋めた日は夢で、オス犬が現れじっと見ていました。
数年後、オス犬とオス猫が夢に出てきました。久しぶりでした。
またこっちをじっと見て、もう1匹増えて3匹で遊びはじめたとき、主人の叫ぶ声が耳に入ってきました。
加齢でもがんばった子(メス猫)が旅立ちました。
オス2匹とメス猫はウマが合わなかったけど、夢で見た3匹は楽しそうでした。
その子たちが毎日から消えた時、寂しいし、想いもありすぎるし……。
私も空をみていました。

犬君のご冥福をお祈りします。
りゅうさん、ゆっくりと深呼吸が出来てからでいいから、みんなで待ってます。
Posted by みみ at 2005年10月28日 22:09
犬君、キラキラ輝くお星様になったんですね。
ご冥福お祈りいたします。

りゅうさんのブログが、更新されてないので
もしやと思っていました。
犬君、いまや痛みも苦しみも無く、安らかに
眠っていますね。

りゅうさんも身体を労わり、ゆっくり休養
してください。
Posted by nekoboci at 2005年10月28日 23:30
たくさんの子達と生活を共にしていると言うことは、たくさんの別れもまた経験しなければならないということなんですね。
青いリボンのお話から、あらためて認識させられました。
犬くん、犬くんも生まれ変わって、りゅう家に帰ってくる日があるのでしょうね。
それまで、しばし天国で痛みも苦しみもない世界で走り回ってゆっくり休憩してね、犬くん。

りゅうさん、元気パワーがMAXになるまで、ゆっくり休まれてくださいね。17匹のお世話だけでも大変なのですから…。無理なさらないように。
Posted by nyanmyupurin at 2005年10月29日 00:49
犬君、残念でしたね。
でも、りゅうさんの文章を読んで、犬君も、今まで猫屋敷で
暮らしてきたみんなも本当に幸せだと心から思いました。
そして、天国で今もみんな幸せにしています。
今は、淋しい気持ちでいっぱいだと思います。
どうぞ、りゅうさんも、ご家族の皆さんも、
ゆっくり心を休められますように祈っています。
また、猫ちゃんたちも慰めてくれていることでしょうね。
Posted by Sunny at 2005年10月29日 12:18
りゅうさん 少しご無沙汰していましたら

ワン君お星様のお迎えについていってしまったんですね
ご冥福をお祈りいたします
きっと一番きれいに光るお星様になって
みんなの幸せ見守ってくれていることでしょうね
苦しむことなく・・・せめてもの慰めになります
寂しいでしょう
ニャンちゃんたちに慰めてもらいお身体にお気をつけくださいね
Posted by つー at 2005年10月29日 15:44
天国に行った犬君、よく頑張ったね。
向こうに行って、皆とまた楽しく暮らせるね。

りゅうさん、なかなか更新されないので何となく予感はしました。大変でしたね。
りゅうさんも、妹さんも、ご両親も心に大きな穴が開いてしまっていると思います。17匹の元気パワーを少しずつ分けてもらって、ゆっくり穴を埋めて下さい。


Posted by ヨッスィー at 2005年10月29日 17:38
犬君、お母さんは居なかったけど、
りゅうさんと妹さんが一緒で良かったですね。
天国には成ちゃんや八重ちゃんもいるから
寂しくないよね。
秋空のブルーとリボンのブルー。
りゅうさんはお寂しいですね。
別れは何度経験しても慣れる事はないので。
経験の分だけ天国で再会できる愛しい者たちが
多いので心配することはないって。(^ ^;)
りゅうさん、ご家族の皆さまもどうぞ、ご自愛くださいね。


Posted by K at 2005年10月30日 03:14
**の家族はみんなやさしいね。
きっと犬君は安らかであると思う。
今度帰ったときには中華行こうな。
**、元気だすんだぞ。
Posted by M in LA at 2005年10月30日 14:35
>みみさん
10年以上前、黒猫りんが死んだ日。
急いでガッコから帰ってきた、その日の青空を今でも覚えています。
青空の色は別に変わらないけど。
あの日はすごい青空だった、って事はよく覚えてます。
うつむいちゃうより、
空を見上げる方が、少しだけど元気出るような気がします。
Posted by り>みみさん at 2005年11月01日 20:51
>nekobociさん
最後の3ヶ月は出来る限りの事はしたと思うけど、
気持ちは静かなんだけど、
なんだかな・・・って今でも玄関を見遣る度に思います。
今頃走り回ってるのかなぁ、って呟いたら、
「夜だから寝てるよ」と妹に指摘されました。
たしかに。
Posted by り>nekobociさん at 2005年11月01日 20:54
>nyanmyupurinさん
青いリボンやホネに再会すると思わなかったので、
とてもフシギな感じでした。
青空のおかげか、再会は明るいものでした。
少し前までは、みんなより先に自分が死にたいと思っていたけど、
「ちゃんと見取ってあげること=幸せ」って、
犬君の事で初めてわかったような気がします。
犬君と今度はどんな出逢いをするんでしょうね☆
Posted by り>nyanmyupurinさん at 2005年11月01日 20:58
>Sunnyさん
犬君や猫を私がしあわせにしてるって前に、
私が精神的に支え&救ってもらってるんですよね☆
犬が苦手な私ですが、
犬君はやっぱり家族なんだなぁって、
そう再確認できた最後の3ヶ月でした。
できる事はやってきたと思っているので、
成が死んでしまった時よりは、静かな気持ちかな。
猫カゼ対策で、落ち込む場合じゃなかったのもありますが・・・
Posted by り>Sunnyさん at 2005年11月01日 21:01
>つーさん
しばらくネットする気力がなかったので、
こちらこそご無沙汰してしまいました。
みみちゃんの調子はどうでしょうか?
フツウの状態で魂が抜けてしまったような、
あっけない最期でしたかが苦しみがなかったようなので。
私たちにとってもそれが少し救いです☆
Posted by り>つーさん at 2005年11月01日 21:04
>ヨッスィーさん
なかなか気力が出ず、
早くお知らせしようと思いながら、遅くなってしまいました。
できる事をしてあげたって満足はあるけど、
やっぱり玄関に横になる犬君の姿がないと、
ためいき出ちゃいますよね。
犬君と仲の良かったお母さんは、言葉にはしないけど・・・
こういう時、子猫がいてよかったなって少し思います。
Posted by り>ヨッスィーさん at 2005年11月01日 21:07
>Kさん
そうですねぇ。
八重は小さいくせに犬君にシャーッって、
威嚇してましたもんね。
顔なじみがいるから寂しくはないかな?
私が死んだら、一度にみんなにあえるんですよね。
時代的に重なってない子も、みんな一緒に。
それってすごいなーって笑いが生まれます。
いろんな再会の形があるから、
しっかりみんなと生きようって思ってます☆
いい香りに包まれた賞品、ありがとうございます☆
Posted by り>Kさん at 2005年11月01日 21:30
>M in LA
最期の顔が穏やかだったから、
それが救いかなってみんな思ってます。
できることはしてあげたって思ってるから。
でも、やっぱり寂しいのは残るね。
帰国したら中華、楽しみにしてます☆
こっちはもう寒いよ。
Posted by り>M in LA at 2005年11月01日 21:32
り>ALL
返事が遅くなってしまってすみません。
月も替わったことだし、
猫カゼもようやくおさまりつつあるので、
ぼちぼち再開しようと思っています。
お心遣い、ありがとうございました☆
私たちは結構元気です☆
Posted by り>ALL at 2005年11月01日 21:35
りゅうさん、犬君に幸せをありがとう。
大切な人が逝ってしまったあとにも、相変わらず
世の中が忙しく回っていくことに大きな違和感を
覚えながら、自分だけ生き永らえていくことに、
何だか無力感ばかり広がる…そんな経験をしました。
でも、私は生き続け、想い出を抱いて暮らしていく。
本当に生きることに意味があるのかを問いながら、
それでも大切な人の想い出を守って生きていく。
りゅうさん、犬君と一緒に、前へ進みましょう。
そして、私も。
Posted by えこP at 2005年11月01日 23:09
犬君、りゅうさん姉妹についていてもらって、暖かい陽射しの中で幸せな気持ちで天国へ行けたのですね。
お母さんに「ありがとう」ってあいさつまでして…。
ちゃんとお母さんに聞こえていたのですね。
本当に犬君は、幸せだったんですね!
とても悲しいことですが、苦しむことがなく、天国で穏やかに暮らせていると思うと、なんだかホッとしました。
きっと今頃は、先にいる仲間たちと一緒に元気に走り回っているんでしょうね。
りゅうさん、ぽっかりと開いた穴はなかなか埋めることはできないかもしれませんが、りゅうさんには17匹の猫ちゃんがついてますもんね。
きっと猫ちゃんたちが癒してくれることでしょう。
あまり無理されませんよう、心身ともにゆっくり休んでくださいね。
Posted by 猫チョップ at 2005年11月02日 14:57
な、泣いちゃいましたよ。涙が止まりません・・・
猫ちゃん達のホネは、なんで同じ所からでてきたんでしょうね。いっしょがよかったのでしょうか。
介護、とってもたいへんだったのですね。
今頃は天国で走っているのでしょうか。ちゃんとあいさつにも行ったんだ・・・そう思うと泣けちゃいます。
もし自分だったらって考えたら、涙がどどっとでちゃいました。この調子じゃあ、まだ二匹には元気でいて貰わないとだめですね。
Posted by ススのママ at 2005年11月02日 16:22
あ〜(T_T)
犬君旅立ってしまったんですね。
ご苦労様でした。
anzuが旅立った時と重なってしまった。。。
看取ることは出来なかったけど、その日の午前中お医者様に見てもらい、薬をもらったばかりだったのに・・・
犬にしろ猫にしろやっぱり大好きな人のところには挨拶にいくよ。きっと。「ありがとうと大好き」の心を込めて。
リンちゃんも成ちゃんも数年ぶりに犬君が合わせてくれたんだろうね。「ありがとう」の気持ちを込めて。
静かで平穏な日々が訪れてもやっぱりスポッと抜けた日常生活にはしばらく寂しいとは思うけど・・・
犬君が元気で走り回っているだろうな。って考えていれば、また幸せな日々を送ることができると思います。

合掌・・・・・・
Posted by 沙雪 at 2005年11月03日 20:14
>えこPさん
私はあまり犬君と接する事はなかったのですが、
この3ヶ月はずいぶん一緒にいたと思います。
最初の頃はやっぱり触るの怖かったけど、
お水を飲ませてあげると喜んでくれるので、
私の方も少しずつ犬君に触れるようになりました。
今日もいいお天気です。
犬君は何をしてるんでしょうね☆昼寝かな?
Posted by り>えこPさん at 2005年11月05日 20:02
>猫チョップさん
日向ぼっこをさせて、その後姉妹でお昼ごはんを食べている間に、
犬君は魂がすーっと抜けていってしまいました。
穏やかだったので、私達も少し安心できました。
うちの庭に眠る子はたくさんいます。
ケンカしたり遊んだり、みんなで楽しく暮らせるかな?
またうちに戻ってくるかな?って、
考えると楽しみが増えますよね☆
Posted by り>猫チョップさん at 2005年11月05日 20:03

>ススのママさん
りんと成のホネが同じ辺りから出てきたのは謎です。
成を埋葬した時は、りん出てこなかったし。
でも久しぶりの意外な再会だったので、
驚いたけどうれしくて、でも泣いちゃいました。
ススちゃんもぶーにゃんも、まだまだ元気でいかなくちゃ!
Posted by り>ススママさん at 2005年11月05日 20:03
>沙雪さん
anzuちゃんも薬もらったばかりだったんだ。
あと3回分しかなかったのでもらいに行ったのですが、
犬君は犬君で「ちょうど連休だしそろそろ行こうかな」って、
すーっと逝ってしまいました。
穏やかだったので、まだ気持ち的にも安心だけど・・・
毎朝「いってくるね〜」って玄関で声をかけていたので、
元気な時は犬小屋にいる犬君に声をかけていたので、
クセで顔を向けるたびに、あ、って思い返してしまいます。
Posted by り>沙雪さん at 2005年11月05日 20:04
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